ASi

ハウルの動く城

2004の作品だ。
通して初めて見たのだが、思っていたよりいい作品だった。


色々な要素がたくさんあって、シナリオは結構複雑なのだけれど、軸のテーマは、少し自信不足で控えめな性格の女の子が恋をして、自分の気持ちに素直になり、好きな人のために頑張る話。
物語の冒頭、仕事を終えたソフィーが鏡の前で帽子をかぶって"いい顔"するのがとてもかわいい。かわいいのに、自分がそうすることにむくれてしまうあたりに、ソフィーの性格が読みとれる。
後半、ソフィーが、花園で心が満たされていくにつれ、髪の色を除いて元の姿に戻るが、自分に自信が無い事を口にしたとたんに老婆に戻る描写があり、この物語がソフィーの心の変化をテーマとしている事を表している。
ハウルへの気持ちを自覚する頃には、姿は元に戻るのだが、髪の色が白髪のままなのは、呪いすら恋の力で打ち消してしまったという事なのかな。
ラストで、若い姿に戻ったけれど髪は白髪のままの、ドレス姿のソフィーとハウルがキスをするシーンで終幕するのが印象的。


荒地の魔女がソフィーのワンピースのポケットに忍ばせた呪い。「汝、流れ星を捕らえし者、心無き男、お前の心臓は私のものだ」。
…サリマンが攻撃してきた時の人型の星のようなものたち、その前にもらった指輪、過去の世界で細っていく指輪、過去の世界で、サリマンの所で見た人型の星と同じものが空から降ってきている事に気づくソフィー。
指輪をサリマンの所に行く前にソフィーにハウルが付けたのは、自分とカルシファーの契約の内容に気付いて欲しかったからか? 指輪が実はソフィーの呪いを解いていたのか。だから夢でソフィーは元の茶色の髪だった? それが夢かどうかも分からない。
ソフィーの実家に引っ越ししたのは、ソフィーがお父さんの残した店を大切に思っている事をハウルが分かっていたからだろう。そして、ソフィーとソフィーが大切に思う店と街を、全て守ろうとハウルは戦いに行く。
過去の世界で指輪が切れたとき、ソフィーは未来で待っててと言う。未来に戻った後、ハウルに、ずっと待っててくれたのにごめんねと言う。ソフィーによって呪いが解かれる運命?


しかし、やっぱりソフィーに当時の歳で60を過ぎている倍賞千恵子をキャストしたのは残念。声が歳をとり過ぎていてどうしても違和感がある。この映画を見る気にならなかったの理由の一つだ。
あと、この作品以降のジブリの作画には抵抗がある。目がでかすぎる。正直言って気持ち悪いのと紙一重
さらに、倍賞千恵子のエンディングテーマ曲が作品とまったくマッチしていなく、残念なぐらい余韻を台無しにしてくれる。


でもともかく、思っていたより、通して観るといい作品だった。ソフィーの心がかわいい。


参考リンク
http://d.hatena.ne.jp/type-r/20130104
http://www.quincegarden.com/text/ot/howl_m.html
http://www.mnr.jp/ghibli/howlword/
http://homepage3.nifty.com/mana/miyazaki-haulu-faq.html