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宮崎駿の映画のエンディング

千と千尋の神隠しのエンディングはとても詩的で良かった。白と千尋が手を離して別れてから、長いエピローグの間、ずっとダイアローグが無い。千尋の声も無く、静かに情景描写が続く。実はこれはすべて誰かの夢だったということなのか、と思うほどだが、最後に、千尋の髪飾りが紫に光り、全て実際に起こった事だと分かる。そして終幕し、EPロールとなる。EPまでの間、本当に長い時間、静かにシーンが続く。そしてそのまま物語は閉じる。
この演出は本当に詩のようで素晴らしいと思った。宮崎駿は天才だ、と感心した。実際宮崎駿はこの作品で著名な映画祭で受賞している。
これに対照的に、紅の豚もののけ姫、は最後ドタバタして終わる。それまでの余韻が消えてしまう。
ハウルの動く城は、かなりの部分で詩的で良い作品だ。女の子の恋心を描いた作品として見ると、繊細で心理描写も細やかだ。しかし、この作品でも最後の最後にドタバタが出てくる。かかしのカブの魔法が解けて、隣国の王子が出てくるくだりだ。あれは要らなかったと思う。
こういうドタバタで締めないと、締めくくれなかった作品は、宮崎駿にとって何か未消化なものがあったのだろうか。