2002の秋から乗っていた156TS selespeed が廃車になった。
今年は2013だから、ほとんど11年乗っていた事になる。
東京に出てきて2年半くらいして買ったものだ。
色々あったが、これはつまるところ相棒、友人だった。
むかつく事も、苦しい事も、とりあえずこいつとゴンゴン走れば気が晴れた。
車は好きで、RX-7 や GT-R とどうしようか、とも迷った。まぁさすがにGT-Rよりは安かったな。
乗り潰す気でいたので、まさか他人に破壊されてしまうとは想定していなかった。寿命としては、まだ折り返し点くらいだったろう。不意に脇腹えぐられて背骨歪ませられるとは誰も思わない。
今もうこれは手元に無い。ちょっと夢のようだ。
もう少し、やー、10年、大変だったなとやれれば良かった。
あっちもこっちも禿げたりなんだり、ええ加減いい中古だったが、それも勲章だった。
お互いさまだった。
ハンドルの感覚が、軽い鼻が、かきむしるフロントが、かなる回転音が、エキゾーストノートが、懐かしい。
こんなに突然だが、全てみな懐かしい。
山でディスクが青くなるまで走ったのも懐かしい。
思いつきで夜、霞ケ浦に行って、ほとりで一服したのも懐かしい。
妻に文句を言われながら、それでも一緒にドライブしたすべてが懐かしい。
全て懐かしい。
今でもまだ、他の車に乗っていて、左手の親指でシフトダウンしようとしてしまう。
もう会う事は無いだろうから、11年お疲れと、ここで言っておこう。
もっとずっと走りたかったけれど、それは夢の中で。