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現実の悲劇の道徳化は間違いだ

防災無線で呼びかけ続けて津波に呑まれた話。
これを道徳の?教科書に?載せるとニュース見たとき、まだ一年も経っていないし、そうして犠牲になった事を、単に美譚にして子供にどんな意味を伝えたいのかと疑問だった。


しかし、この記事や、
http://diamond.jp/articles/-/13992
町長告訴の記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120306-00000589-san-soci
を見て私の違和感の理由が分かった。やはり、表面的な部分だけを取り上げ、偉かった可哀想だとそれだけしか感じ取らない感性に、違和感を持ったのだ。


他にもこの庁舎でなくなった人の話
http://photo.sankei.jp.msn.com/essay/data/2012/03/0305mail/
切なくなる記事だ。


これを単に美譚として教科書に載せ、子供の教育に使うのは、心にとって毒ではないかと思う。子供には真実を語り聞かせ、そこから何を思うか自分の力で考える感性と想像力を養うべきだ。
これこそが正しい道徳的な話、として、今進行している現実に勝手な解釈を被せて、子供を洗脳してはならない。


http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/01/26/kiji/K20120126002509270.html

 宮城県南三陸町の防災対策庁舎から防災無線で町民に避難を呼び掛け続け、津波の犠牲になった町職員遠藤未希さん=当時(24)=が埼玉県の公立学校で4月から使われる道徳の教材に載ることが26日、分かった。

 埼玉県教育局によると、教材は東日本大震災を受けて同県が独自に作成。公立の小中高約1250校で使われる。

 遠藤さんを紹介する文章は「天使の声」というタイトル。遠藤さんが上司の男性と一緒に「早く、早く、早く高台に逃げてください」などと必死で叫び続ける様子が描かれ、「あの時の女性の声で無我夢中で高台に逃げた」と語る町民の声を紹介している。

 教材ではほかにも、埼玉県深谷市出身で津波に流される車から市民を救出した岩手県釜石市の男性職員の話などが掲載される予定。

 同教育局生徒指導課の浅見哲也指導主事は「遠藤さんの使命感や責任感には素晴らしいものがある。人への思いやりや社会へ貢献する心を伝えたい」としている。

 遠藤さんの父清喜さん(57)は「娘が生きた証しになる」と話し、母美恵子さん(53)は「娘は自分より人のことを考える子だった。子どもたちにも思いやりの心や命の大切さが伝わればいい」と涙を流した。

 遠藤さんが防災無線で避難を呼び掛け続けた南三陸町の防災対策庁舎では、遠藤さんを含む町職員ら39人が犠牲となった。佐藤仁町長が津波被害の象徴として保存の意向を示したが、遺族の強い反発を受けて解体が決まっている。